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みぃとクロ。-タルパとの生活-

タルパと生活を共にするオカルトちっくな妄想日記。

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クロと人形③

クロと人形③

〇補足説明
・以前人形を作って食べた時の話
・クロに食べられた夢の話

自分はちょっとだけ旅に出ます。
皆様良い年をお過ごしください。

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外見が変わっても中身はいつものクロなんだな。
私は見慣れた彼に少し安心しつつも同時に呆れて返答に困っていると、ほどなくして名前を呼ぶ声が聞こえてきた。

案内に従って移動し、スタッフと相談してヘアスタイルが決まると洗髪が開始される。洗髪が終わると今度は椅子に座り直し、スタッフが髪の毛を切る準備を始めた。
クロはそんな私とスタッフのやり取りを背後から黙って眺めており、目深に被った帽子から覗く彼の碧い瞳は、「その時」をただ静かに待っていた。

クロが変なことを言い出したおかげで一瞬和んだかと思ったが・・・再び重い空気になってしまった。最初はクロと話をしながら切ってもらうつもりだったが、今の彼はその様な雰囲気ではないらしい。
そうこうしているうちにスタッフが話し掛けてきた為、苦手ではあるがそのままスタッフと話をすることにした。

他愛ない会話の中、リズミカルなハサミの音と共に、私の髪の毛がサラサラと床に向かって流れ落ちていく。
するとクロは、待ちわびたかのように私の元へやってくると膝をつき、白い手袋をつけたまま私の切り落とされた髪の毛を拾い上げ(現物に手を乗せ、拾い上げる動作をするとそこから抜き出てくるイメージ)、丁寧にツボの中へと納めていった。

2年半ほど前のあの時は、髪の毛を無造作にかき集めて口の中に突っ込んだり、雑な扱いをしていたが・・・。前回と比べて何から何まで様変わりしたクロの様子を、私は何とも言えない気持ちで見つめていた。

*

散髪が終わり、帰路につく。
車を出して暫くすると、助手席に座ったクロが、壺の中の髪の毛を親指と人差し指で少量つまみ取り、軽く揉みながら首を傾げ、私と交互に見つめ始めた。

「・・・何?」

不思議に思った私が、彼に声を掛ける。


クロ:「みぃをね、イメージしているんだ」

みぃ:「イメージ?」

クロ:「そう。これからボクは、この髪の毛でみぃを作るわけ」

みぃ:「そうね。」

クロ:「前回は初めてだったから思うがまま適当に作ってみたけど、今回はもっとちゃんと考えながら作成したいと思ってね。だから、みぃを良く観察していたの。」

みぃ:「へぇ。」


どうせすぐ食べるんだから、適当でいいでしょう。
私はそう思ったが、口にはしなかった。その台詞を発する事を拒まれる程に、彼の眼差しが真剣だったからだ。


自宅に到着すると、クロは寝室を貸してほしいと言ってきた。そこで作業に取り掛かるらしい。
クロの家で作るんじゃないの?と聞くと、「みぃの居るこの家で作った方が上手く出来ると思う」と言い、しかも「作成中は見ないでね。部屋にも入ってこないで。」と、念を押された。
鶴の恩返しかよ・・・別に構わないが。
自分の人形がどの様になるのか私も気になるところだ。クロに出来上がったら見せてもらう約束をしてから、私は寝室の扉を閉めてその場を離れた。

出来上がりが気になる私は、隣の部屋で暫く座って待ってみる。

10分
20分
30分

・・・・
・・・・・・
・・・・・・・・・

遅い。まだか。
どれだけかかるんだ・・・以前は大した時間もかからずちゃちゃっとできていたが。今日は折角髪をセットしたんだから、人形の完成を見届けた後出掛けようと思ったのに・・・仕方ないな。
長時間になると覚悟した私はネットを起動し、他ルパーさんのブログを巡回することにした。

いつ見ても他所のタルパさんはどのお宅も皆かっこ良くて可愛い。仲良しだし、交流も楽しそうだ。うちは相性が悪い者同士もいるし、皆で楽しくワイワイと言うのは難しいから羨ましい。

うちのパートナー達は自己主張が強いのだと思う(悪い意味で)。譲り合いがないというか・・・我がままなのだろうか。一方で癒しの猫女神や家電製品のロリコン天使もいるけれど。

今回ヤギを私の元に滞在させる件についても、ごねた挙句条件付きで許可された事である。
でもまあ、こちらに関しては元々クロとヤギの間に交わされていた約束があったから仕方ないのか。
約束があって更に約束の上乗せか・・・ゴチャゴチャだ。

こんな問題が起きた時、または日常であれ、複数タルパやナフラがいる家はどうやってまとめているんだろうと考える。
絶対権力か?いやこれはあまり無いだろうな、ブログを拝見していると皆優しそうだから。優しくて大人の対応ができるからまとまるのか・・・分からない。いずれにせよ複数持ちでも上手く統制できている主は、私にとって尊い存在だ。

*

「みぃ、おまたせ。」

考えを巡らせすぎてテンションが下がりきった頃。ようやくクロの声がした。
やっとできたか・・・私はパソコンを終了し、立ち上がる。

みぃ:「随分かかったじゃないか。前回の比ではないね。」

クロ:「うん。この前は適当にこねただけだから。でも今回は違う、色々工夫した。」


そう言いながら、クロと私は寝室へと向かう。
さて、どんな「みぃ人形」ができたのか・・・私は、寝室の扉を開けた。

扉を開けると、クロが先に入りその「人形」の傍へ行き、ゆっくりと抱き上げる。
彼の腕の中には、一糸纏わぬ女性が静かに眠っていた。

これが『人形』?思わず目を疑う。
私は先程まで、過去に見た小さな人形の完成をイメージしていた。しかし今私の目に映るのは、想像していたソレとはほど遠い。2次元の姿と言う共通点はあるものの、以前彼が作り上げた人形とは全く比べ物にならない完成度だ。

そして人形の身体は実にしなやかで、クロが支えている胴体から繋がる手足は、重力に引き寄せられる様にブラリと下がり、ゆらゆらと揺れていた。そしてよく見ると胸が微かに上下している。前回の人形にも人間の様な柔らかさがあったが・・・呼吸をしているのか?
私は確認すべく人形の口元を見ると、僅かに緩んでいることが分かり、その唇から首筋に沿って視線を落とすと、そこにはうっすらと血管が浮き出ているのが確認できた。


みぃ:「クロ。これは本当に人形か?生きているんじゃない?」

クロ:「ああ。前の人形だってこんな感じだったよ」

みぃ:「いやでも、これは私と同じ身体の大きさだし、息もしているじゃないか。血も通っている・・・これは人形とは言わない、生きているから人間だ。」

クロ:「だから、前の人形もそうだったじゃない。これは確かにみぃの髪の毛から作った。だからこれは人形だ。」


何を言ってもクロは「これは人形」の一点張りで、聞く耳を持とうとしなかった。

以前の人形は私の一部(髪の毛)から作られたけど、手に乗る位の大きさで私の姿とはかけ離れていた。しかしこの、彼の言う『人形』は等身大で細部まで造り込まれており、よりリアルに出来上がっている。
クロは前回のものと同じと言うけれど、とてもそうは思えない。私は自分の心の中で、言い様の無い違和感を感じていた。


「やっと会えたね。凄く綺麗だ・・・素敵だよ。」

そんな主の気持ちを知ってか知らずか、クロは身体を屈めると人形に顔を寄せ、耳元で優しく話し掛ける。


「・・・・・君は、ボクのみぃだ・・・・・」


眠る人形に視線を落としそう呟くと、彼はその人形を抱き締めそのまま姿を消していった。


*


1人残された自分の部屋で、私は先程までクロと人形が居た場所を呆然と見つめていた。

―あいつは本当にアレを食べるのだろうか―

そう思った時。私はふと、3年ほど前に自分が化け猫のクロに食べられる夢を見た日の事を思い出す。

あの人形も、あの時みたいに血と肉でグチャグチャになるんだろうな。
・・・仕方ない、それも一時の事ですぐ終わる。



この時私は、そう思っていた。
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| @クロ | 01:26 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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